


當り狂言碇知盛組上ケ四枚續
東京浅草 牧金版 明治二十五年四月五日印刷 復刻版(オリジナルをもとに印刷したものです)
義経千本櫻 二段目 大物浦の段(よしつねせんぼんざくら だいもつのうらのだん)名場面
義経千本櫻とは源平合戦後の源義経の都落ちをきっかけに、平家の武将の復讐とそれに巻き込まれた者たちの喜悲こもごもを描く人形浄瑠璃・歌舞伎の演目である。 平知盛、吉野の一家、偽忠信それぞれを主役とした三つの筋を桜のはかなさにたとえている。
二段目 大物浦の段
前段、渡海屋(とかいや)の段で、船宿主人銀平にふんした知盛は嵐の海に義経一行を船出させ、白糸威しの鎧をまとい義経を追って出航する。 しかし、義経は既に知盛らの正体を見破っており、さらにその裏をかいて待ち構えて返り討ちにした。 家来を失った知盛や女官達は、もはやこれまでと覚悟する。
安徳帝は自分が守ると諭す源義経、数珠を手に知盛を諌めようとする弁慶、帝を託し自害しようと大碇を巻きつけた平知盛、沖には松明をともし戦う源氏と平家、碇知盛の名場面を再現。
この後、知盛は碇を海へ投げ仰向けのまま入水、女官も平家方の自分がそばにいては帝まで疑われるからと自害した。
平家物語では、壇ノ浦の戦いで源氏に敗北を喫した際、二位尼(平時子)が外孫に当たる安徳天皇を抱き、「浪の下にも都の候ぞ」と言い聞かせ海中に身を投じた。
役者
平知盛 (たいらのとももり) 市川團藏
源義経 (みなもとのよしつね) 市川高麗蔵
弁慶 (べんけい) 市川八百藏
二位尼 (にいのあま) 中村芝翫
清若君 (きよわかぎみ) 中村児太郎
切組灯籠(立版古)とは
江戸時代から明治期にかけて流行った「組上げ絵」とも呼ばれる庶民のおもちゃ絵遊びです。 1~5枚ほどの錦絵版画を切り抜き、立体的な舞台を組上げるものです。 題材としては、歌舞伎の名場面や歴史物語、風景・風物などが用いられました。 出来上がった作品は、夕涼みの軒先の床机などに飾り蝋燭でライトアップして出来栄えを競い合う夏の風物詩となっていました。
切組灯籠は江戸の呼び方で上方のほうでは「立版古(たてばんこ)」とも呼ばれます。 これは、江戸時代に錦絵や摺物など木版印刷物のことを、はんこう(版行、板行)と呼んだことに由来するそうです。
切組灯籠は孟蘭盆会の供養の灯籠が起源でそれが玩具化したそうです。 組上げ絵なのに灯籠と付くのは不思議ですね。 これにはもうひとつ深い意味があります。 切組灯籠は組上げただけでは完成ではありません。 それを歌舞伎舞台を模した箱に入れることでより立体感が強調されます。 また、蝋燭や電球で照らすことにより、光と影が生まれより臨場感のある舞台となります。 つまり、光で照らすことにより始めて完成形となります。
是非、江戸の知恵、明治の文化をお楽しみください。
作り方
切組灯籠には設計図はありません。 簡単な出来上がり図があるだけです。
最初に、出来上がり図を良く見て各部品がどのように組み合わせるかを把握します。
次に、補修と確認用にカラーコピーを撮っておきます。
いよいよ切抜きです。 昔のようにハサミと糊だけで作るのは難しいです。
現代の道具を十分活用しましょう。 (デザインナイフ、カッティングマット、ピンセット、ボンドなど)
貼り付ける台紙は画用紙のような薄い紙だと反ってしまいます。 しっかりした台紙、板などを用意しましょう。
入れる箱は腕の見せ所です。 舞台風、芝居小屋風、山車風などなど色々工夫してみてください。。
照明用にロウソク等を使用する際は火災に十分注意しましょう。 電球などの使用をお勧めします。
出来上がった切組灯籠は、広く皆様にご披露ください。
※こちらの商品はオリジナルではありません。
オリジナルをもとに現代に印刷し復刻したものです。